普天間基地の移設計画を巡り、政府は軟弱地盤の改良工事に向け設計変更を県に代わって承認する代執行に踏み切りました。
玉城知事は「民意を踏みにじるものだ」と政府の対応を強く批判しました。
玉城知事
「国策の名の下に代執行という国家権力によって選挙で沖縄県民の負託を受けた知事の処分権限を一方的に奪うことは、多くの県民の民意を踏みにじり憲法で定められた地方自治の本旨を蔑ろにするものであり誠に遺憾です」
名護市辺野古の大浦湾側で見つかった軟弱地盤の改良工事を巡り、国土交通省は28日、県に代わり沖縄防衛局の設計変更を承認しました。
木原防衛相
「これは普天間飛行場の全面返還に向けた一つの節目であると考えています。辺野古への移設工事を着実に進めてまいります」
林官房長官
「沖縄県知事との対話について現時点ではまだ具体的な予定はありませんが、様々な機会を通じて沖縄県側も含めて地元の皆様に丁寧な説明を行っていきたい」
岸田首相
「普天間基地の一日も早い返還を実現し、基地負担の軽減を図るため全力で取り組んでいきたい」
地方自治法に基づき国と地方自治体の関係を「対等・協力」とする現在の制度の下で代執行が実施されるのは全国で初めてです。
玉城知事は代執行は地方自治の理念を否定するものだと強く批判しました。
玉城知事
「国の判断だけが正当なものとして認められるという地方自治を否定する先例が生じてしまったことを深く危惧しています」
設計変更が承認され工事が順調に進んだとしても完成までに9年3ヵ月、移設が完了するまでに12年かかるとされています。
玉城知事は難工事が予想される中で今後も設計変更が行われる可能性があるという見解を示し、厳正に審査していくと強調しました。