18日、創価学会の池田大作名誉会長(95)が、亡くなったことが分かりました。半世紀にわたって、巨大宗教団体を率いた指導者の死は、今後の政界にどのような影響を与えるのでしょうか?
■学会員たちからは「先生」と呼ばれ…心の支えに
池田大作名誉会長(2007年):「多くの人々に感動を与えました。感服致しました」
15日、95歳で老衰のため亡くなった創価学会の池田大作名誉会長。その人生は、波乱に満ちたものでした。
平和を説き、学会員たちからは「先生」と呼ばれ、心の支えとなっていた池田氏。
池田名誉会長(1991年):「私は本当に戦争が憎い。平和でなければならない」
1928年、東京で生まれ、19歳の時に創価学会に入り、1960年、32歳の若さで第3代会長に就任しました。
■公明党を結党…政権分離巡り批判も
大きく動いたのは翌年、政治団体「公明政治連盟」を立ち上げ、政界へ進出し、1964年に現在の公明党を結党します。
問われたのは「政教一致」です。
創価学会を批判する出版物に圧力をかけたとして国会で批判を浴びたことから、公明党は「政教分離」を宣言しました。
池田名誉会長(1970年):「創価学会と公明党の関係は制度の上で明確に分離していく。その原則をさらに貫いていきたいのであります」
公明党はその後、1993年に誕生した非自民連立の細川政権に参画し、初の与党に。しかし、1年ももたずして政権は崩壊。その後、再び与党となった自民党からは、創価学会の選挙活動などが批判され、池田氏の証人喚問や参考人招致が度々、要求されることになりました。
自民党 関根則之議員(当時)(1995年):「実際に、その宗教団体を動かしている力のある実力者に。直接お聞きしたい」
池田氏の証人喚問を巡り、国会が紛糾する場面もありました。
委員長:「本日の質疑はこの程度にとどめて、暫時休憩いたします」
議員:「何が休憩だよ!誰がそんなこと言ってんだよ」
1999年には一転、対立していた自民党と連立政権を組み、今も連立与党の一角を占めています。
■ハリウッド俳優も「ダイサクイケダ」
池田氏は、独自の民間外交も展開していました。
旧ソ連のゴルバチョフ元大統領や、当時の中国の首相・温家宝氏など、世界各国の要人とも対談を重ねました。
海外への布教活動にも力を入れ、ハリウッド俳優のオーランド・ブルームさんも、ウクライナのゼレンスキー大統領のもとを訪れた際に…。
オーランド・ブルームさん:「私の心の支えは池田大作という男。『時代は変わる。力が正義とされる時代から、正義が力となる時代へ』。池田大作のこの言葉を送ります」
ゼレンスキー大統領:「ダイサクイケダ」
■自民党閣僚経験者「陰に陽に影響は出る」
池田氏の訃報を受け、岸田文雄総理大臣は、「池田氏は国内外で平和、文化、教育の推進などに尽力し、重要な役割を果たされ、歴史に大きな足跡を残されました」とSNSに投稿しました。
今後の政界への影響はあるのでしょうか。
公明党元議員:「今後の創価学会・公明党にも、とんでもない影響があるだろうな。支援者のみなさんも、選挙応援するにも身が入らなくなるという影響はものすごく大きいだろう。この状況で選挙となれば、肝心なところで踏ん張りがきかなくなる」
連立を組む自民党閣僚経験者は、次のように話しているということです。
自民党閣僚経験者:「創価学会や公明党に与える影響は計り知れない。自公関係が今までより強くなるのか弱くなるのかは分からないが、今後も陰に陽に影響は出るだろうな」
(「グッド!モーニング」2023年11月20日放送分より)
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