羽田空港の滑走路で、日本航空と海上保安庁の航空機が衝突した事故。海保機側に日航機が着陸することが伝わっていなかった可能性があることが新たに分かりました。
記者
「午前10時半です。今、重機が入って機体の一部を持ち上げています」
羽田空港では、けさから日本航空機の撤去作業が始まりました。
この事故直前、海保機が滑走路におよそ40秒間停止していたとみられていますが、その後の関係者への取材で、海保機側に日航機がこの滑走路に着陸することが伝わっていなかった可能性があることが新たに分かりました。
海保機側が管制で離着陸を管理する「タワー」とやりとりしたのは、午後5時45分すぎのこと。
管制(東京タワー)
「JA722A、東京タワー、こんばんは。(離陸の順番は)1番目。C5上の滑走路停止位置まで地上走行してください」
海保機(JA722A)
「滑走路停止位置C5に向かいます。1番目。ありがとう」
一方、日航機と「タワー」が着陸に向けやりとりしたのは10秒前のこと。海保機側が「タワー」の周波数に合わせたタイミングでは、このやりとりを聞けていなかった可能性があるとみられています。管制官は国交省の聞き取りに対し…
管制官
「ほかの航空機の調整などがあり、海保機に滑走路手前まで走行するよう指示を出した後、動きは意識していなかった」
こうした状況を受け、複数の関係者は、「海保機側は日航機が着陸することを認識せず、滑走路で待っていた可能性もある」と指摘しています。
事故で死亡した海保の5人のうちの1人、加藤重亮さん(56)。38年前、航空自衛隊で同僚だった男性がけさ、取材に応じました。
死亡した加藤さんの元同僚 安藤憲夫さん
「同期の中ではリーダー的な存在で、多分そうだろうと思ったときに体の震えとか涙が止まらなかったですね」
また、死亡した帯刀航さん(39)の元上司は…
死亡した帯刀さんの元上司 相馬文良さん
「常に明るくて、脳裏にも彼の顔が浮かんできまして、元気だったころの顔がね」
突然仲間を失った悲しみが広がっています。
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