北朝鮮のミサイルに対抗する“切り札”として、日本が「レールガン」と呼ばれる大砲の開発を進めています。その特徴について、専門家に聞きました。
■“世界初”洋上射撃試験 10月に実施
18日、新型のICBM=大陸間弾道ミサイル「火星18」の発射実験を行い、着々とミサイル開発を進めている北朝鮮。
その脅威が高まるなか、日本がミサイル防衛の要として開発を進めているのが、レールガンと呼ばれる大砲です。
防衛装備庁は10月、世界初となるレールガンの洋上射撃試験を実施したと発表しました。
火薬を使わず、砲身の中にある2本のレールに電気を通し、非常に強い電磁力によって秒速2キロ以上という極超音速で弾丸を発射することが可能に。射程が200キロと長いのも特長です。
レールガンについて、去年1月、当時の松野博一官房長官は「ゲームチェンジャーとなりうる最先端技術」と話していました。
戦い方そのものを変える可能性を秘めた「ゲームチェンジャー」として期待されているのです。専門家は、次のように話します。
笹川平和財団 上席フェロー 小原凡司氏
「日本は、このレールガンが弾道ミサイル防御などに使用できると考えている。さらに、発射速度が 1分間に10発程度と言われていますので、多くのミサイルに対応できるということだと思う」
■いつ実用化? 専門家「2035年前後に」
レールガンの開発はアメリカが先行していましたが、事実上開発がストップしています。一体、なぜなのでしょうか?
小原氏
「アメリカ海軍が開発を断念した理由の一つが、レールガンに使用するための大電力を艦内でまかなわなければなりません。そういったことの難しさもあって、開発を断念した」
そんななか、中国の研究チームがレールガンで連続120発の発射に成功したと、香港のメディアが伝えました。開発を断念したアメリカを中国が上回ったとアピールした形です。
ミサイル防衛の切り札「レールガン」。日本では、いつ実用化するのでしょうか?
小原氏
「2035年前後に実践配備をすることを考えているのではないか。今までの自衛隊にはない、兵器になることは間違いない」
(「グッド!モーニング」2023年12月21日放送分より)
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