高級食材として知られているトリュフ。ヨーロッパでは記録的な猛暑の影響で価格が高騰していて、一攫千金を目指してハンターが押し寄せている。そして年々、競争が激しくなるトリュフを巡っては、“毒殺事件”まで起きているという。
■「食卓のダイヤモンド」トリュフが高騰
COP28 ジャベル議長:「世界は岐路に立っています」
UAE(アラブ首長国連邦)のドバイで開催されているCOP28。各国が深刻化する気候変動問題について危機感を表した。
気候変動は、ある食材にも影響を及ぼしているという。それが、「食卓のダイヤモンド」とも呼ばれる、世界三大珍味の一つトリュフだ。
トリュフは主にヨーロッパの湿り気の多い森林で採れるキノコの一種。しかし、今年は記録的な猛暑と干ばつで、良質なトリュフが減り、価格が急騰している。
そのため、一攫千金を狙い、トリュフを探す人が増えているという。
■嗅覚鋭く従順イヌ “相棒”にピッタリ
トリュフ専門会社オーナー ティエリー・ベズー氏:「私が初めてトリュフを食べたのは幼いころ、祖父と一緒に森に行った時だった」
フランスのティエリー・ベズーさん。働いていた工場を辞め、トリュフの採取から調理まで行う専門会社を立ち上げた。
ティエリー・ベズー氏:「トリュフを使ったビジネスをしようと決めた時、私はイヌを飼おうと決めた」
トリュフを見つけてくれる動物といえばブタが有名だが、ブタは嗅ぎ当ててはくれるが、そのまま食べてしまうことも…。ところが、イヌは嗅覚が鋭く飼い主に従順で、トリュフ探しの相棒にピッタリだという。
ティエリー・ベズー氏:「(トリュフ犬には)特別な犬種があるんだ。この犬種はラゴット・ロマニョーロで、私はこのイヌを飼うことに決めた。イヌとの本当の友情があるから、私たちは一緒に仕事ができて幸せだ」
■“毒入りの餌”まかれ…トリュフ犬死ぬ
トリュフ採集に欠かせないトリュフ犬を狙った事件が起きているという。それが“トリュフ犬毒殺事件”だ。
CNNによると、トリュフの中でも高価な「白トリュフ」が採れるイタリアの森林に毒入りの餌(えさ)がまかれ、誤って食べてしまったトリュフ犬が先月だけで30匹以上、死ぬ事件が起きたという。
事件の背景にあるのは、トリュフの高騰とみられている。
■トリュフ犬の育成困難 一番難しいのは?
その一方で、 トリュフ採取に欠かせないトリュフ犬は育成が難しいという。
AFP通信によると、イタリアにはトリュフ犬養成学校があり、3週間の基本訓練だけでおよそ5万円、優秀なトリュフ犬に育て上げるには平均で3年かかるという。
ちなみに、一番難しいのはトリュフの探し方ではなく、食べないように教えることだそうだ。
■採取場所が知られること恐れ…通報せずも
そんなトリュフ犬が“毒殺”されれば、ハンターにとっては大きな痛手となるのだが、中々表面化しにくいという。
ニューヨークタイムズによると、トリュフハンターの縄張り争いは激しく、通報することでトリュフが採れる場所が他のハンターに知られることを恐れ、警察などに通報しないケースも多いというのだ。
実際、CNNによると、今回毒殺された30匹の飼い主は1人も被害届を出していないといい、動物保護団体の訴えで明らかになったという。
■白トリュフ 22グラムが約2900万円で落札
白トリュフの市場価値は450グラムで、およそ32万円という。
そして、イタリアでは年に一度、高級白トリュフの品評会が行われているが、去年はおよそ227グラムがおよそ2900万円で落札されたという。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2023年12月5日放送分より)
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