派閥と金の問題で“事実上の更迭”となった安倍派の大臣4人と、副大臣5人。13日、キックバックの存在を“告白”した宮澤博行前防衛副大臣もその一人。地元・静岡に姿を見せ、14日夜、番組の取材に涙ながらに答えました。
宮澤博行前防衛副大臣:「(Q.どんな気持ちであの場に)最初にしゃべるというのは、しゃべって、潔白を証明して、一抜けたというのは嫌だ。みんな苦しい思いをしているんだから、歩調を合わせなくちゃいけないと、ずっと思っていた。私としては、いろんな精査も、だいぶ見えてきたなかで、早く説明したい、説明する機会がほしい。そう思っていたところ、国会最終日、ああいう形になり、もうこれは逃げることはできない。そう思って、あの瞬間に決断をした。ずっと葛藤はあった。しゃべりたい思いと、みんなと歩調を合わせたい思い。それを、あの瞬間に決断した」
防衛副大臣としての仕事にも、まだやり残したことがあるといいます。
宮澤博行前防衛副大臣:「あした、海上自衛隊幹部学校の卒業式がある。副大臣として、祝辞・訓示を述べる予定だった。防衛省が用意したものではなく、自分で書いて、読まずに、直接訴えたい。準備していたところだった。本当に悔しいです。副大臣は、簡単になれるものじゃない。政務官を経て、政策の研さんを積んで、人間関係を作り、信頼を得て、それで、ようやく務まる。特に、防衛省は、24万人の隊員の命を預かる役目がある。己を鍛えて、鍛えて鍛えてようやくたどり着いた。お金については、本当に申し訳ないけれども、自分としてできる限り、厳正な管理をしてきた。だからこそ、内実を見てほしかった」
派閥からの指示については、こう話します。
宮澤博行前防衛副大臣:「(Q.不記載でいいと指示があった)慣習だった。『今までの皆さんも、こうなのかな』と、どこかで思ったかもしれない。それを直そうと声を上げなかった我々にも責任はあるかもしれない」
さらに、もう1人、キックバックを受けていたと告白する議員が現れました。スピードスケートのオリンピックメダリストで、衆議院議員4期目の堀井学氏。14日、内閣府副大臣を辞任しました。
堀井学前内閣府副大臣:「事務所に起こったことを精査したときに、1000万円以上の不記載が確認されました。決して裕福な事務所ではなかったから、おそらく、そのときの秘書は事務所の経費に計上したのではないかなと思います」
パーティー券が何枚売れたか、キックバックのお金を誰が受け取ったかは、把握していなかったとも説明しました。
辞めた大臣の中にも“告白”する人が。2週間前には、「キックバックはない」と明言していた鈴木淳司前総務大臣。
鈴木淳司前総務大臣:「ある程度の“経費補填”というか、ありますので。ほんのわずかあるようですが、私としては、そういう意識でもらってるわけではないし、実際に手にもしないので、そうお答えしました」
一方、萩生田政調会長は、もう少し仕事を続けることになるようです。
辞表を提出した萩生田光一政調会長:「岸田総理からも『辞表は、受理はするけれども、しかし、年末、税制・予算が大切なときですので、次の政調会長を決めるまでの間、責任をもって与党の仕事を進めてほしい』と」
党役員の人事は、22日に行う方向で調整されています。
岸田総理:(Q.4閣僚“裏金否定”の宮下大臣も辞任、安倍派のみを交代させた理由を)所属する政策集団がどこかということではなく、一人一人の意向とか、事情を勘案したうえで判断したと」
次々と明らかになる派閥のカネの問題。特捜部は、安倍派の秘書などに聴取を続けています。番組では、その一人に話を聞くことができました。
安倍派現役秘書:「検察に呼ばれて聴取を受けたよ。次のときに資料を提出するよう言われた。政治資金収支報告書、出納帳、会計帳簿、派閥のパーティー券の販売記録、通帳、それぞれ5年分の原本だ。うちのようなキックバックが少ない議員の秘書まで捜査するのかと」
特捜部は近く、安倍派側への強制捜査に乗り出す方針を固めています。
取材の後、宮澤氏は、地元の集会で、こう語りました。
宮澤博行前防衛副大臣:「幸か不幸か、一議員に戻りましたので、最後の最後まで一生懸命、代弁者として、頑張りますので、よろしくお願いします」
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