イスラエル軍による地上作戦が続く、パレスチナ自治区ガザ地区。そのガザ地区に閉じ込められた男性が記録した、40日間の過酷な生活とは。
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激しさを増す、ガザ地区での戦闘。民間人の犠牲が増える中、被害はガザ地区の住民以外にも及んでいます。
アイルランド在住のイブラヒムさん。パレスチナ人の両親を持つイブラヒムさんは、休暇でガザ地区北部に滞在する中で軍事衝突に巻き込まれました。
イブラヒムさん「目覚めると、あちこちで大きな爆発音がしていたんです。また戦争が始まるんだと思いました」
およそ40日間にわたりガザ地区に閉じ込められたイブラヒムさん。過酷な避難生活を記録していました。避難先の南部の両親の家を撮影した映像を見せてくれます。
イブラヒムさん「この2つのマットレスを5人が使って寝ています」
2階建ての家に、親戚や友人などおよそ90人が身を寄せ合っていたといいます。
避難した当初は楽観的な見方をしていたといいますが…
イブラヒムさん「みんな2、3日か長くても1週間しか続かないだろうと考えていました」
しかし、長引く軍事衝突で、避難生活も長期化。その中で問題になったのは、食料と水。スーパーの棚はほどなくして空になったといいます。そして…
イブラヒムさん「飲んでいたのは飲用に適した水ではなく、病気になる危険がありました。さらに食べ物もほとんどが期限切れや腐ったものでしたが、ほかに選択肢がありませんでした」
発電機を動かす燃料も底をつき、電気もガスもない中、急きょ、かまどを作りました。しかし…
イブラヒムさん「日課のパン探しですが、家に帰ります。残念ながら今日はパンがありませんでした」
パンが買えず、食卓に並ぶのは野菜だけという日も。イブラヒムさんは、家族構成をもとに配給表を作り、食糧難を乗り切ったと話します。
イブラヒムさん「皆が同じ量の食料と水、そしてすべてのものを公平に手に入れられるよう、表を作ったんです」
その後、避難先の近くにも空爆が。当時、一緒に避難していた8歳の長男・サミ君は…
サミ君(8)「戦争で怖いのは夜です。ガザ地区のことを好きじゃない人たちが、家をたくさん壊すんだ」
死と隣り合わせの中、ガザ地区に閉じ込められてからおよそ40日。イブラヒムさん一家は、先月15日、エジプトとの境界にある検問所から脱出。今はアイルランドの自宅で平穏な生活を取り戻しています。
一方で、ガザ地区には親戚が残ったまま。避難先だった南部ハンユニスは、イスラエル軍が地上作戦を激化させ、住民らに退避を呼びかけている地域のため、不安が大きいと話します。
イブラヒムさん「いとこや叔父は、ハンユニスからさらに南のラファまで避難しなければいけませんでした。そして彼らは今、路上で暮らしているんです。停戦が実現して、より多くの援助が届くことを切に願っています」
(2023年12月9日放送「news every.」より)
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