北朝鮮は21日夜遅く、事前に通告していた時間を前倒しする形で、ミサイルの発射を強行しました。通告より早く発射したのは、初めてのことです。
■“不意打ち”北ミサイル ロシアが協力か
予告より1時間15分早く発射した北朝鮮。“不意を突かれた”形に、総理官邸にも慌ただしく関係者が入っていきます。
21日午後10時46分に出されたJアラート。対象地域となった与那国町役場の職員に緊張が走ります。
Jアラートが出される3分前、中国と北朝鮮の国境付近では、地上から空へ走る赤い光が撮影されました。北朝鮮が“軍事偵察衛星”と主張する弾道ミサイルの可能性があります。
ミサイルは沖縄上空を通過し、太平洋に落下。Jアラートは、21日午後11時15分に解除されました。
金正恩総書記は9月、ロシアの宇宙基地を訪れ、プーチン大統領と会談しました。この時、北朝鮮がウクライナ侵攻を巡り、ロシアへ武器を支援する見返りに、ロシアは偵察衛星やロケット関連の技術協力をしたとみられています。
■なぜ予告時間より早く発射? 専門家は…
岸田文雄総理大臣:「人工衛星と称したとしても、弾道ミサイル技術を使用した発射。これは明らかに関連する国連決議違反であります。北朝鮮に対しては、すでに厳重に抗議をし、最も強い口調で非難をいたしました」
北朝鮮はなぜ、予告時間よりも前に軍事偵察衛星を打ち上げたのでしょうか。
明海大学 小谷哲男教授:「気象条件が整ったということで、早めに打った可能性が高い。今、衛星を打ち上げて、朝鮮半島周辺にいる米軍などの動向を監視したいということで、今回打ち上げを行ったと思う」
21日午前には、アメリカの原子力空母「カール・ビンソン」が韓国に入港。このタイミングでの打ち上げとなりました。
松野博一官房長官:「現時点では、地球周回軌道への衛星の投入は確認されていません」
北朝鮮の朝鮮中央通信は22日未明、「軍事偵察衛星が打ち上げ後、軌道に正確に進入した」と報じました。
松野官房長官:「北朝鮮は一貫して核ミサイル能力を強化していく姿勢を示しており、さらなる挑発行為に出てくる可能性はあると考えます」
(「グッド!モーニング」2023年11月22日放送分より)
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