自民党の裏金事件で動きです。池田佳隆衆議院議員らが逮捕されました。強制捜査の開始から3週間足らずで初の逮捕者です。
■安倍派裏金事件で初 池田佳隆議員を逮捕
「しばらく事務所を閉所させていただきます」。
事務所の主は、7日、逮捕されました。一連の裏金事件で、初の国会議員の逮捕者です。
自民党・安倍派の衆議院議員、池田佳隆容疑者(57)。東京地検特捜部が政治資金規正法違反の疑いで逮捕しました。
(東京地検特捜部)「具体的に罪証隠滅のおそれが認められるので逮捕した」
裏金疑惑の発覚以降、公の場に姿を見せていない池田容疑者。逮捕に踏み切った理由について、証拠隠滅のおそれがあるとしています。特捜部によりますと、政治団体「清和政策研究会」から、池田容疑者側におよそ4800万円のキックバックがあったにもかかわらず、収支報告書に嘘の記載をしていた疑いがあります。特捜部は認否について明らかにしていません。
現職の自民党国会議員の逮捕を受け、岸田総理大臣は…
(岸田文雄総理大臣)「わが党所属の国会議員が逮捕されたということについては、これはもう大変遺憾なことであり、重く受け止めております。池田議員については除名をする方針と致しました」
「この国をまもりこの国をまっとうな経済社会を取り戻す自民党」
現在4期目の池田容疑者の地元では…
「がっかりです。本当にがっかりです。何度も言うようにがっかりです」
「ああいうことがいっぱいあると(政治を)信じられなくなったり選挙に行く意味があるのかなと思う」
(自民党 愛知県連会長 丹羽秀樹衆院議員)「これまでも姿をみせずに説明されなかったということは国会議員としてあるまじき行為。悪いことをしたから説明できなかったと思われても当然仕方ない」
自民党の派閥の政治資金をめぐる事件で、特捜部は複数の安倍派の幹部や、「志帥会」の二階俊博会長からも任意で事情を聴いています。今後、実態の解明はどこまで進むのでしょうか。
■捜査の最新情報 社会部中継
(社会部 司法担当 岩下耀司記者)
「特捜部は具体的な罪証隠滅のおそれがあるとして、この事件で初となる現職の国会議員とその秘書の逮捕に踏み切りました。今後は池田容疑者とその秘書との間に共謀関係があったとして、さらなる実態解明を進めるとみられます。
また、安倍派の中には、池田容疑者と同じく強制捜査を受けた大野泰正参議院議員がいます。特捜部は大野議員の立件可否についても慎重に検討しているものとみられます。
ただ今回は安倍派の個別の議員が逮捕されましたが、注目されるのは、派閥側の組織的な関与が収支報告書の不記載に対してどれほどあったのか。これまでに特捜部は複数の安倍派の幹部から任意で事情を聴くなどしていますので、今後は会計責任者だけでなく派閥ぐるみで不記載をおこなっていたか、議員の共謀が成立するかも含めて引き続き捜査を進める模様です」
■自民党内での受け止めは? 政治部中継
(政治部 千々岩森生 官邸キャップ)
「自民党の反応として、池田議員が立件されること自体は“既定路線”とみられていたので驚きはないようですが、身柄の拘束はないだろうと、略式起訴あたりではないかとみられていたため、逮捕され、身柄を拘束されたことに驚きが広がっています。
そして池田容疑者ですが、通常、議員の不祥事が起きた場合に事前に自民党本部と議員側で調整して、水面下で離党届を出させて離党というのがいつものパターン。ただ今回はいきなり除名処分でした。どうやら雲隠れの池田容疑者と自民党執行部側も連絡が取れず、水面下の調整ができないままに結果として、一番重い除名処分を下さざるを得なかったという経緯だったようです」
■“安倍派幹部クラス”の逮捕は?
(共同通信社編集委員 太田昌克氏)
「岸田政権の現職閣僚は、略式起訴ではなく、身柄拘束を伴う逮捕だった件について『これは検察側のメッセージだ。次は派閥幹部クラスがどうなるかだ』と話していた。事務総長経験者などが逮捕されるのか、自民党内は固唾を飲んで見守っている情勢」
「岸田総理は逮捕された池田議員の辞職勧告すらできず、国民の政治への信頼はますます地に落ちかねない。新しいルールを決めるまで派閥を一度解消するくらいの出直しが必要では」
1月7日『サンデーステーション』より
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