自民党安倍派を巡る裏金疑惑で、東京地検特捜部は異例の規模の捜査体制を組み、安倍派議員への聴取を始めています。これまで数々の政治家の汚職事件を立件してきた特捜部が、今回狙う本丸とは。
■“キックバックは文化”発言…鈴木前総務大臣「それも含めて曲解」
安倍派 鈴木淳司前総務大臣:「きょうはこういう取材を受けませんので、よろしくお願いします」
愛知県尾張旭市で17日、大臣辞任後に初めて地元の有権者の前に姿を見せた鈴木前総務大臣。これまで一貫して疑惑を否定していましたが、辞任後は一転して、60万円を受け取っていたと認めました。
鈴木前総務大臣は15日、「この(政治の)世界で、そういう文化というと変でありますが、認識があったのかなと自分は思っています」と述べていました。
鈴木前総務大臣(17日):「(Q.先日、キックバックは文化というような発言があったが?)それも含めて曲解なので、しっかりと説明します」
発言の意図をしっかりと説明するといいますが…。
鈴木前総務大臣(17日):「(Q.曲解とはどういう部分が?)それを言うと、またなるので、きょうはやめます。きょうは一切、テレビを含めて取材はお受けいたしません」
地元の人:「(Q.市民としてこの問題?)恥ずかしいですね。本当にね。(きょうは)文化を伝えに来たんじゃないですか」
国会が閉会したことで加速している東京地検特捜部の捜査。
任意聴取を受けた議員の秘書は、派閥から議員側へのキックバックが収支報告書に記載されていないことについて、安倍派議員秘書らは特捜部の任意聴取に対して、「不記載は派閥の指示だった」と話しているといいます。
一方、安倍派の幹部側は周囲に「派閥や特定の議員がもうけているように見せたくなかった」と話しているといいます。
他派閥への影響を意識していたのでしょうか。
■岸田内閣支持率21.3% 裏金疑惑に揺れる政権
裏金疑惑で政権が揺らぐなか、岸田文雄総理大臣は17日、東京・港区で行われたASEAN(東南アジア諸国連合)の首脳らとの夕食会に出席しました。
岸田総理:「各地で分断と対立が深まり、世界が複合的な危機に直面するなか、日本はASEANとともにこれに立ち向かってまいります」
世界の危機を訴え、外交成果をアピールしたい考えですが、その足元は危機的状況です。ANNが16日・17日に行った世論調査では、岸田内閣を「支持する」と答えた人は21.3%で、政権発足以降で過去最低となりました。
■弁護士「本丸は安倍派の事務総長経験者か」
安倍派の裏金疑惑。特捜部は政治と金を巡る自民党のスキャンダルに大胆にメスを入れるのでしょうか。
元東京地検特捜部検事・郷原信郎弁護士:「私が聞いているところでは、応援検事だけで50人。異常なほどの大規模体制だという話ですね。本気でなければ、とてもそれだけの数は集めないでしょう」
郷原弁護士によると、裏金を受け取った議員の立件は難しく、特捜部が狙う本丸は「安倍派の事務総長経験者ではないか」といいます。
郷原弁護士:「清和会の収支報告書の虚偽記載の問題、これが本筋だと思うんですよ。こういうやり方をずっと継続してきたという意思決定は、やっぱり(安倍派の)会長が中心だったと思うんですけども、細田さんはもうすでに亡くなってますよね。そうすると、今その責任を問いうるのは会長と会計責任者の中間に位置する事務総長ぐらいしかいない」
(「グッド!モーニング」2023年12月18日放送分より)
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