ラーメン店の倒産が相次ぎ、過去最多となる可能性が浮上しています。止まらない閉店ラッシュの背景には何があるのでしょうか?
■過去最多の可能性も ラーメン店が閉店ラッシュ
加藤シルビアキャスター:
東京商工リサーチによりますと、2023年1月~8月の、負債額1000万円以上のラーメン店の倒産件数は28件で、去年の同じ時期と比べて3.5倍に増えました。このままいくと年間の倒産件数が過去最多となる可能性もあるそうです。
ラーメンデータバンクの宮内孝典代表取締役によりますと「40年以上続く有名店も閉店に追い込まれている。データには反映されない個人店なども入れると、この1年で東京を中心に300店以上が閉店しているだろう」と話しています。
倒産が相次ぐ背景に価格の問題があるようです。
静岡市「麺処 汐のや」塩そば700円の場合
【2013年】
・麺代 約50円
・光熱費 約40円
・トッピング・スープ代 約200円
→粗利益は約410円
【最近】
・麺代 約100円
・光熱費 約90円
・トッピング・スープ代 約310円
→粗利益は約200円
■ラーメン店は儲からない? ガス代節約で鶏ガラ→淡麗スープに変更も
原材料費や光熱費の値上げで利益が減り、経営が圧迫されているそうです。それならばラーメン代を値上げすればいいのではないかと思うのですが、ラーメンには“1000円の壁”というものがあるそうで、ラーメン評論家の山本剛志さんによりますと「値上げは“命取りになる恐れ”もあり、中々踏み切れない」と難しい現状があるようです。
さらに山本さんは「そもそもラーメン店は“経営が難しい”」と言います。初期費用が高くないため、資金面では参入しやすく、必然的にライバル店が多くなります。そうすると他店に負けないため原価率の高い商品を提供することになり、結果、利益が少なくなって経営が悪化していくお店が多いということです。
さらに追い打ちをかけるように、10月1日から最低賃金が引き上げられます。▼東京1072円→1113円 ▼全国961円→1004円(平均)となり、人件費が増え、さらなる負担になってしまうのです。
井上貴博キャスター:
ラーメン店は3年以内の廃業率が7割とも言われています。消費者は安くて美味しいイメージが刷り込まれているので、1000円超えるなら、他のお店に行こうかなとなってしまうのではないでしょうか。
スポーツ心理学者(博士)田中ウルヴェ京さん:
原価率が高くなったからと頭ではわかっていても、消費者としてはクオリティーは同じなのに値上げは困るなと思ってしまいますよね。
ホラン千秋キャスター:
ラーメン店が多い中で新しいお店を開拓するときに、口コミを見て、一つでも何か違うなと感じるものがあれば他の店を選んでしまいますよね。本当に生き残るのは厳しいと思います。
加藤キャスター:
そんな中、創意工夫で難局を乗り切っているお店があります。
鳥取県米子市「麺処 想」では目玉商品だった鶏白湯スープを7月から淡麗スープに変えました。鶏白湯スープは鶏ガラを強火で9時間ほど炊き上げるためガス代がかかります。それを弱火で作る淡麗スープに変えたところ、かなり経費を抑えることができたそうです。
福島県郡山市では「RAMEN NOODLESフユツキユキト」が発起人となり、県内のラーメン店6店などとスープのない“釜玉タイプ”のラーメンを共同開発しました。これにより、原材料費に加えて水道・ガス代が大幅削減できました。味にはこだわっていて、釜玉にあうもっちりとした麺を開発しているということです。
▼TBS NEWS DIG 公式サイト https://newsdig.tbs.co.jp/
▼チャンネル登録をお願いします!
/ @tbsnewsdig
▼情報提供はこちらから「TBSインサイダーズ」
https://www.tbs.co.jp/news_sp/tbs-ins...
▼映像提供はこちらから「TBSスクープ投稿」
https://www.tbs.co.jp/news_sp/toukou....