自民党の政治資金パーティーをめぐる裏金疑惑は、きょう19日の強制捜査で新たな局面を迎えました。
これだけ様々なところで報道がなされている中で、もし証拠隠滅がなされた場合、捜査はどう動くのか。
元・東京地検特捜部の若狭勝弁護士に聞いてみました。
■強制捜査に至るまでの流れ
任意聴取:議員秘書や派閥の会計責任者など
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任意聴取:安倍派の議員(国会閉会後)
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強制捜査:安倍派・二階派事務所(19日午前11時ごろ)
ホラン千秋キャスター:
若狭さん、この捜査が現在どのような段階にあるのか、解説いただけますでしょうか?
若狭勝 弁護士:
これから政治家にさらに事情聴取をして、「供述調書」を作成していくことになると思います。
供述調書というのは、一旦作られると、それなりに信用性があるものとされていますが、供述調書を作ったあとに、何か違う証拠物が出てきてしまって、供述調書の内容と矛盾するようなことがあってはならない。
ですから今回、捜索をして、証拠物をきちんと集めて、証拠物に矛盾しない供述調書を今後作成していくというプロセスにあると思います。
■証拠隠滅のおそれは?特捜部は何をする
日比麻音子キャスター:
その証拠物というのは、具体的にどういったものを狙っているんでしょうか?
若狭さん:
少なくとも特捜部は、派閥の事務総長経験者の責任を追及しよう、という目標を設定していると思います。
そのためには、派閥側の会計責任者に対して、(事務総長が)キックバック分を収支報告書に記載しないよう指示したことが浮き彫りにならないと、事務総長の責任追及は難しい。
ですから、本日の家宅捜索においては、そうした指示をしたというメモや文書、LINEやメッセージなど、痕跡の押収をきちんとする必要があったと思います。
ホランキャスター:
素朴な疑問なんですが、これだけ裏金疑惑が様々なところで報道されている中で、その証拠が仮にあったとしても、「どうにか変えてしまおう/なくしてしまおう」という考えが働いてもおかしくないとは思うんですが、本当に証拠があった場合、どうやって抑えきるんでしょうか?
■「証拠隠滅は一時的に痛手でもむしろ…」
若狭さん:
確かに証拠物の隠滅が捜索前に行われることはある。ですから、今回も当然、そのことを視野に置きながら、データでやり取りしていたものはきちんと復元をして、むしろそれが大きな証拠になるということもあります。
一方で、証拠隠滅していることを、誰かから供述として得られた場合、なぜ証拠隠滅をしたのか?ということで、むしろ逆に、捜査側は大きな状況証拠的なものを握る。
やっぱり、心にやましいことがあるから証拠隠滅したんでしょう?という追及が、今度はできてくる。
証拠隠滅というのは、特捜部にとって一時的には非常に痛手ですが、それをきちんと解明したり、固めていくと、「証拠改ざん」というのは、むしろ事件を大きく、強く、立証していく一助になるということが、ままあります。
厚切りジェイソンさん:
何か違法なことがあったのであれば、それをなぜこんなに長い間、ずっと続けられたのかという原因(究明)と、もう再発できないように、新しい法律・新しい監査・新しいチェックをどう入れるのかを考えないといけないと思いますね。
小笠原亘キャスター:
やはり最終的には、裏金問題は「誰が指示したのか」ということになっていく。最終的には、やはり事務総長が今回の裏金問題の責任を負うということになってくるだろうということで、若狭さんは「議員の立件はハードルが高いが、歴代事務総長4人のうち1人は禁固刑で起訴まで持ち込みたいはず」とみています。
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