ロシアのウクライナ侵攻を支持したとして、国家反逆罪などに問われたウクライナの元国会議員、イリヤ・キワ氏が6日、ロシアでウクライナ保安庁(SBU)によって暗殺された。米シンクタンク・戦争研究所は同日、モスクワ近郊のオジンツォボでキワ氏の遺体が発見されたことを指摘した。ウクライナの英字紙「キーウ・インディペンデント」は7日、諜報機関のウクライナ保安局が実行した特別作戦であったことを報じた。ウクライナ紙「キーウ・ポスト」は6日、ルガンスク人民共和国の元国会議員であるポポフ氏もSBUの関与により殺害されたことを報じた。ロシア南軍司令官を務めたグルリョフ議員は3日、ウクライナの支配地域で、ロシアが諜報組織「スメルシュ」を新設したことを明らかにした。組織名の由来は、「スパイに死を」を意味するロシア語の略称で、スターリン時代に反共産主義活動の撲滅を目指して設立された防諜部隊とされている。
プーチン大統領は8日、来年2024年3月に行われる大統領選に立候補する意向を表明したことを、ロシアの国営タス通信が報じた。当選すれば、通算5期目となり、新任期は2030年までとなる。タス通信によると、プーチン大統領は同日、モスクワの大統領府で開催された軍人への表彰式で、親ロシア派「ドネツク人民共和国人民評議会」のジョガ議長に対して、出馬を明言した。ロシア大統領選挙を巡っては、現時点において、有力な対抗馬が不在の状況で、通算5期当選は確実視されている。ウクライナ侵攻が継続する中で、プーチン大統領に長期政権を確立する狙いがあると見られる。プーチン大統領は、自身の2036年までの続投に道を開く憲法改正を成立させている。
ウクライナが厳しい寒さに見舞われ、過酷な戦闘が強いられる中、ロシア軍は確かな戦果を得るために捨て身の攻撃を展開する。米シンクタンク・戦争研究所によると、激戦が続く東部要衝アウディイフカでロシア軍は、ウクライナ軍に対して、戦場での優位性を確保する作戦を採用することなく、多大な被害と犠牲も厭わない人海戦術により、歩兵主導の大規模攻撃を仕掛けている。米戦争研究所が5日に公開した映像分析から、ウクライナ軍の防衛上における重要拠点となるステポベ東方面とアウディイフカ南東方面で、ロシア軍が前進したことが明らかとなった。ロシア軍によるステポベ攻撃について、アウディイフカのバラバシュ市長は、「ウクライナ軍の兵站を遮断する目的で、ロシア軍はステポベで攻撃を行っている。非常に熾烈な戦闘が継続している」と述べた。現在、ステポベには、主力戦車の「レオパルト2」や歩兵戦闘車の「ブラッドレー」など、欧米から供与された主要兵器を運用する精鋭部隊として知られるウクライナ軍の「第47独立機械化旅団」、また、アウディイフカでは、旧ソ連・チェコ製の装備を使用する「第110独立機械化旅団」が防衛に従事している。
★ゲスト:山下裕貴(元陸上自衛隊中部方面総監)、廣瀬陽子(慶応義塾大学教授)
★アンカー:末延吉正(ジャーナリスト/東海大学教授)
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