自民党の派閥パーティーを巡る裏金疑惑で13日、安倍派に所属する防衛副大臣が「派閥から指示があった」と暴露しました。
■安倍派副大臣キックバック認め…「派閥から指示」
自民党・安倍派 宮澤博行防衛副大臣:「あそこで」
自らインタビュー場所を指定したのは、14日に交代となるとみられる安倍派の宮澤防衛副大臣です。
宮澤防衛副大臣:「ここに至った限りにおいては、もうしゃべるしかない。派閥の方から、収支報告書に記載しなくてよいという指示はございました。大丈夫かなとは思いましたけれども、これで長年やってきているんだったら、適法なのかなと」「(Q.(キックバックは)およそいくらぐらいか?)はっきり申し上げます。3年間で140万円です」
キックバックを認めたうえで、収支報告書への不記載は派閥からの指示だったと明かしたのです。
宮澤議員は、2012年の衆院選・静岡3区で初当選し、ここまで当選4回です。
宮澤氏(初当選):「日本のため故郷のために頑張るとなると、その重さというものを本当に本当に今感じております」
今年9月、防衛副大臣に就任したばかり。先月、屋久島沖で墜落したアメリカ軍のオスプレイの事故の時も、次のように述べていました。
宮澤防衛副大臣:「人命の救出に全力を尽くすとともに、米軍に対して事故の状況に関する事実関係の確認を求めていきたい」
■交代人事に不満爆発で暴露「追い出されるかも」
1週間前、安倍派の総会では…。
自民党・安倍派 塩谷立座長:「刑事告発されている案件でありますので、事実関係を慎重に調査、確認して適切に対応していくということでございます」
宮澤防衛副大臣:「派閥については塩谷先生がおっしゃる通りですので、それを待ちたいと思います」
ところが一転、反旗を翻します。派閥内で箝口令(かんこうれい)が敷かれていたことも告白しました。
宮澤防衛副大臣:「多くの仲間も早く説明して、身の潔白を証明したい。そう思っていると私は推測いたします。ですけれども、はっきり申し上げます、(派閥から)しゃべるな、しゃべるなって、これですよ」「(Q.しゃべるなというのは誰から言われた?)派閥の方からでございます。ここまで私がしゃべってしまったら、もう派閥から追い出されるかもしれませんけども、指示はございました」「(Q.箝口令が敷かれるなか、説明の決断に至った理由は?)副大臣人事。直接は聞いておりませんけれども、ご存じの通りの結果(交代)になったわけでございます。一時の感情と言ってしまえばそうかもしれませんが、その判断はないだろうと。そういう悔しい思いで」
一方で、口を閉ざし続ける人たちもいます。
自民党・安倍派 大野泰正参院議員:「今後、適切な時期に説明責任を果たしてまいります」「(Q.適切な時期というのは?)それはまだこれから」
自民党・安倍派 三ッ林裕巳衆院議員:「(Q.裏金を受け取っていたのか?)精査中です」
■内閣不信任案 与党の反対多数で否決
臨時国会の最終日、衆議院本会議では内閣不信任案の審議が行われました。
自民党・茂木派 西銘恒三郎元復興大臣:「岸田内閣は困難なかじ取りが求められるなか、全身全霊で真面目に取り組んでいる。その愚直な政治姿勢に、不信任という言葉は全く該当しない」
不信任案を提出した立憲民主党は…。
立憲民主党 神津健衆院議員:「岸田総理、その場でうなずいてお答えください。あしたにも行うとされている内閣改造人事では、パーティー券収入が不記載の方は1人もいないと断言できるか」「答えてもらえず残念です」
結果は与党の反対多数で否決されました。
■総理「火の玉になって」 再発防止策は示されず
国会閉会後、岸田文雄総理大臣は会見に臨みました。
岸田総理:「政治の安定なくして、政策の推進もないということ。改めて強く感じています。現在の政治資金を巡る様々な課題に正面から取り組んでまいります。国民の信頼回復のために、火の玉となって自民党の先頭に立ち、取り組んでまいります」
しかし、再発防止の具体策は示されませんでした。
岸田総理は14日、安倍派の大臣4人を事実上更迭し、松野官房長官の後任には岸田派の林芳正前外務大臣、西村経産大臣の後任には齋藤健前法務大臣、鈴木総務大臣の後任には松本剛明前総務大臣、宮下農水大臣の後任には坂本哲志元地方創生担当大臣を充てる方針です。
安倍派の党幹部、萩生田政調会長や高木国会対策委員長は13日、辞任する意向を明らかにしました。
自民党閣僚経験者:「萩生田さんからすれば、予算編成の前に辞表を出すというのは、岸田さんに反旗を翻したということなんだろう。バーンと辞表をたたきつけて、やれるものならやってみろよと」
国会が閉会したことで、今後、東京地検特捜部は、議員本人から直接事情を聴くことも視野に調べを進めるとみられます。
(「グッド!モーニング」2023年12月14日放送分より)
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