台湾総統選まであと1カ月です。先月、報道ステーションでは与党・民進党が優勢とお伝えしましたが、最新の世論調査では、野党・国民党候補との支持率の差がごく僅かとなっています。いったい何があったのでしょうか。
国会にあたる立法院の選挙も同時に行われるとあって、街は候補者たちの顔であふれています。総統選で、今のところ優勢なのが、現与党・民進党です。副総統として蔡英文総統を支えた、頼清徳氏。親米かつ対中強硬という今の路線を貫く構えです。
民進党総統候補 頼清徳氏:「野党の主張を受け入れて、台湾の主権を放棄し、台湾経済の自主権を犠牲にし、社会への衝撃を我慢すれば、“中国との平和”を獲得することができると思いますか?できないのです」
親米路線は、副総統候補のチョイスにも表れています。蕭美琴氏は、アメリカ人の母親を持ち、駐米代表として外交を取り仕切ってきた人物です。
民進党副総統候補 蕭美琴氏:「中国の絶え間ない脅迫と脅威。そんな世界で、台湾は孤立しないよう、もっと友達を作るべきです」
10日、蕭美琴氏がやってきたのは、バッティングセンター。ここでもアメリカとのつながりをアピールしています。注目は、着ているユニホーム。頼氏と共にスタジアムを訪れたこともある、ニューヨーク・メッツです。
対する野党。国民党と民衆党は、共倒れを防ぐため、候補の一本化を図ったものの、結局、決裂という結果に。
独特の個性と奔放な物言いで、若者からの支持を得ていた、民衆党・柯文哲氏は、野党一本化のゴタゴタで失速しています。
ここへ来て追い上げを見せる、国民党の侯友宜氏は、民進党の親米路線で悪化した、中国との関係改善を訴えています。10日に訪れたのは、台湾東部の花蓮県。風光明媚な景観で知られ、以前は多くの中国人観光客を集めていた場所です。
国民党総統候補 侯友宜氏:「なぜ中国人観光客が来ないのか。民進党が対話や交流をしないからです。私が当選したら、両岸の平和と安定をさせ、戦闘機ではなく、中国人観光客に来てもらう。両岸の平和、経済交流、共栄できるように約束します」
国民党が追い上げを見せる背景には、8年近く続いてきた民進党政権が、長期化することへの警戒感があるようです。
女性:「野党にやらせてみてほしい。(現政権で)進歩した実感はありません。政権交代したほうがいいです」
男性:「民進党政権が長いので、政権交代のために、大勢が投票に行くと思います。国民党に票を入れる人は多いのでは」
最後のカギを握るのは、住宅をはじめとする物価高騰に苦しむ、若者の動向だといいます。
東森テレビ 陳瑩キャスター:「“若者の票が国民党に流れるか”。数%で民進党に追いつきます。(Q.逆転のチャンスは)あらゆる可能性があります」
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