北海道函館市で見つかった海岸を埋め尽くすほどの大量のイワシ。その量は数千トン規模とみられています。この謎の現象。一体、何が起きたのでしょうか。
■イワシ“大量漂着”数千トン規模
まるで魚でできた波です。海水の代わりに魚が押し寄せているような光景。一体、なぜこのような現象が起きたのでしょうか。
大量のイワシが漂着した函館市の海岸。8日朝、地元漁師らが回収作業を始めていました。それにしても、海岸を埋め尽くすこの量。長さは1.5キロで、積み重なったイワシの厚みは80センチに達する所もあるといいます。
見に来た人:「いやーもう…すごいとしか。これは一生に一度しか見られない景色だと思う」
地元漁師:「(Q.漁師でも見たことない?)ないない、何十年もない」
原因については様々な見解があります。
地元漁師:「環境変化でそういうふうになっているのでは。冷たい水が急に来たり…」「多分、海の生態が変わっている。マグロが増えているとか」
北海道大学の専門家に話を聞いてみました。すると…。
北海道大学 水産科学研究院 山村織生准教授:「けさ現場を見てきた。外海でこういう状況は私も初めて見た」
魚の大量死で、まず考えられるのは水温の低下。しかし、今回は別の要因が考えられるといいます。それはパニックです。
■“イワシパニック”で大量漂着?
イワシに一体、何があったのでしょうか。
北海道大学 水産科学研究院 山村織生准教授:「水温は14℃ということで、マイワシにとっては好適な水温帯に位置しているので水温が原因とは考えづらい。群れの密度が上がりすぎてしまった結果、酸欠に陥ったのではと想像する」
問題は、なぜ群れの密度が上がったのか。
北海道大学 水産科学研究院 山村織生准教授:「あの海域だとイルカ類かクロマグロかと思うが、恐らく何らかの捕食者に追い込まれて群れごとパニックになってしまったのかなと。打ち上がっている魚を見たが丸々と太ったものが多い。それだけ大量の酸素を消費する。そういったことで酸欠に陥ったのかなと」
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