茨城県の日立市役所と東海村役場に車が相次いで突っ込んだ事件。
車を運転していた益子泰容疑者(53)が、建造物損壊の疑いで逮捕された。
7日午後、被害に遭った東海村の村長が取材に応じた。
東海村・山田修村長「(事件の受け止めは?)今回の事件は、いかなる理由があっても許されない、あってはならない暴挙。強い憤りを感じる。(村役場に恨みがあったとの供述があるが?)捜査に全面的に協力している段階ですので、それ以上のことは申し上げることはできません」
日立市役所には母親と2人で乗った車で突っ込んだ益子容疑者。
取材を進めると、母と子の奇妙な関係がわかってきた。
警察官に両脇を抱えられて歩く益子泰容疑者。
6日、茨城県の日立市役所と東海村役場に相次いで車が突っ込んだ事件に関与したとみられている。
日立市役所で暴走した際には、助手席に母親を乗せていた益子容疑者。
事件発生前、親子の間に大きなトラブルが生じていたことがわかった。
最初の事件は6日の午後1時ごろ、日立市役所で起きた。
イベントが開かれた市役所の広場に黒い車が突っ込んだ。
この暴走に、イベントの女性スタッフ1人と参加者の男性2人が巻き込まれ、けがをした。
その後、現場から直線で400メートル余り南にある防犯カメラがとらえた映像。
益子容疑者が運転しているとみられる黒い車が、画面左から右へ。
さらに、ここから南に750メートルほど離れた場所では、煙を出しながら走る黒い車をドライブレコーダーがとらえた。
似た車が次に目撃されたのは、さらに南にある益子容疑者の自宅前だった。
事故を起こしていたのは、益子容疑者の家族名義の車。
近隣住民「(益子容疑者)歩いてて、なんか興奮しているような感じだった」、「トマトを放り投げて逃げていたから。お母さんを置いて逃げるっていうのはびっくり」
日立市役所で暴走したとみられる車。
助手席には、70代の益子容疑者の母親が乗ったままだったという。
つまり益子容疑者は、母親を車に乗せたまま日立市役所前で暴走したあと、自宅に戻り、次の現場へと向かった可能性がある。
なぜ母親を車に乗せていたのだろうか。
近隣住民「仲が悪いって本人は言っていた。母親に殺されるって言って、警察に電話したことがあったらしい」、「けんかしていたみたいで、そのときパトカー呼んだよ。2、3カ月前」
自宅前で事故を起こしたあと、白い車に乗り換えたとみられる益子容疑者。
自宅からさらに南にある東海村役場に突っ込んだ。
益子容疑者の自宅近くのカメラがとらえた映像に映っていたのは、東海村役場に突っ込んだ車と同じナンバーの車。
容疑を認めている益子容疑者。
その後の調べで、「JCO臨界事故が原因で体調不良になった。東海村に恨みがあった」と供述しているという。
近隣住民「(益子容疑者は)青い顔しているから、あんまり体が優れないのかな。だから働いていないんだと思う。あっちこっちの病院かかってるんだって言ってましたよ」
JCOは取材に対し、「益子泰という名前の人物に補償をした」と回答。
また、2016年末以降、同じ名前の人物から「補償をしてほしい」との電話を複数回受けたともしている。
警察は、益子容疑者が精神的なトラブルを抱えている可能性もあるとみて、調べを進めている。
FNNプライムオンライン
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