京都の紅葉が見頃を迎えています。夜のライトアップで人気を集める「清水寺」では22日、身動きができないほど人であふれました。この他にも、外国人観光客が多く集まる紅葉スポットがありました。
■幻想ライトアップ 夜の清水寺に殺到
22日、世界遺産「清水寺」には多くの観光客の姿がありました。
観光客:「(Q.目当ては?)ライトアップです」「(Q.楽しみですよね)はい」
18日に始まったばかりの清水寺の夜間特別拝観。ライトアップされた紅葉を楽しもうと、22日も多くの人が訪れ、点灯開始を今か今かと待ちわびていました。
そして午後5時半、明かりがともりました。辺りから歓声が上がり、ライトアップを待っていた人たちが一気に撮影を始めています。
闇夜に浮かび上がった清水寺。清水の舞台で知られる国宝の本堂にも、多くの観光客の姿が見られました。
清水の舞台に人があふれています。そして、その眼下には見頃を迎えたおよそ1000本のもみじが鮮やかに照らされ、幻想的な光景が広がりました。
■清水坂にも多くの外国人観光客「予想超え」
紅葉のシーズンを迎え、色鮮やかに染まった京都。紅葉の名所は多くの人たちでにぎわいました。
清水寺へ続く「清水坂」は見渡す限り人、人、人。大にぎわいのなか、目立つのは外国人観光客です。
イタリアからの観光客:「(Q.京都に来られた目的は?)紅葉です。京都の紅葉はきれいですからね」
清水の舞台を取り囲むように広がる真っ赤なもみじ。参拝客は秋色に染まった景色を写真に収めようと、一斉にカメラを構えます。
外国人観光客:「紅葉は来る途中もきれいでしたし、ここもきれいでびっくりしました。まだ(滞在)1日目なので、これから楽しみです」
一方、清水坂では、あまりの混雑ぶりに、座り込んで休憩する外国人観光客の姿も見られました。
アメリカからの観光客:「ユネスコにも登録されているから混んでいるとは思ったけど、予想を超えているよ」「足が疲れました」
■イタリアから新婚旅行も…妻見当たらず
取材中に出会った、イタリアから来たステファノさん(34)。
ステファノさん:「イタリアの紅葉の名所も行ったけど、日本はとてもいいです」
紅葉を見るために清水寺に向かいますが、途中で周りをきょろきょろ。さらに時計を気にしたりと、何やら落ち着かない様子です。
ステファノさん:「(Q.なぜ京都に来たんですか?)紅葉を見に、新婚旅行で来ました」
新婚旅行で日本に来たステファノさん。しかし、妻の姿は見当たりません。
両替のため店に立ち寄っている間に、一足先に妻が清水寺に向かってしまったのです。
ステファノさん:「(Q.妻とは、どこで待ち合わせ?)お寺の中で待っています」
待ち合わせの時間が迫っているのでしょうか。行列のなか、人をかき分けるように進んでいきます。
清水寺の境内も大変な混雑。妻と無事に会えるのでしょうか?
■SNSで海外人気 穴場絶景「もみじトンネル」
紅葉シーズン真っ盛りの京都で、外国人観光客が多く訪れているのが、京都市の北東部、山間エリアを走る叡山電鉄です。
この時期は、普段とは違う景色が見られます。それは、目の前に広がる真っ赤に色づいたもみじ。その間を列車が走り、まるで“もみじのトンネル”をくぐっているかのようです。
夜になると、景色はより幻想的になります。車内の照明が消えた直後。ライトアップされたおよそ280本のもみじの間を、列車がゆっくりと走ります。
左右から迫る色とりどりのもみじは、まさに圧巻の一言。知る人ぞ知る穴場スポットとなっているのです。
外国人観光客は、どうやってこの場所を知ったのでしょうか?
SNSに投稿されたコメント:「照明が消えた瞬間、異世界に迷い込んだよう」「とても幻想的な体験です」
実は、撮影された写真がSNSで話題となり、外国人観光客が訪れる人気のスポットとなったのです。
■新婚旅行の夫婦 妻に無事会えた?
清水寺で妻・ジャダさん(28)を探す、ステファノさんは無事に会えたのでしょうか。清水寺の入り口で待つこと1時間。
ステファノさん:「とても良かったし、とても気に入りました」
笑顔で戻ってきたステファノさん。隣には、ジャダさんの姿がありました。
ステファノさん:「(Q.ジャダさんを捜していたが簡単に見つかった?)(約束していた)建物の中ではなかったけど、塔の近くにいたんだ」
清水寺で無事、ジャダさんと合流。夕日に照らされた紅葉を2人で楽しめたといいます。
その後は周囲を散策。記念撮影や食べ歩きも楽しみました。
なぜ新婚旅行に日本を選んだのか、聞いてみました。
ステファノさん:「私たちが新婚旅行に日本を選んだ目的が紅葉狩りです。その次に日本の文化」「(Q.たくさんの場所を回ったが楽しめた?)とても良かったです。とても日本のことが気に入りました」
■円安影響?先斗町にも外国人殺到「8割が…」
外国人観光客の姿は京都の花街・先斗町でも、店の前で並んでいるのも、行き交う人も、ほとんどが外国人観光客です。
京都ちゃんこ鍋 逆鉾 女将 森山恵さん:「今年に入ってから円安の影響もあるのかもしれませんけど、だいぶ数は増えていると思います。ここはどこの国だろうと思うくらいに、外国の方が7割8割くらいの感じのイメージですね。外国の方で今、京都はもっているのかなって」
■トロッコ列車 午前の時点で夕方席も売り切れ
赤く色づいた紅葉と車窓から見えるきれいな川。そして、雄大な渓谷美を楽しめる“嵯峨野トロッコ列車”。
こちらのオランダ人観光客は、午前9時の始発に合わせて来たものの、チケットが買えなかったといいます。
オランダから来た観光客:「トロッコから見る紅葉を楽しみにしていましたが、ちょっとがっかりしています」「(トロッコから見る紅葉の)写真がすてきだったんだ」
駅前は多くの観光客であふれ、午前中の時点で、夕方までの席が売り切れ状態となっていました。
トロッコ鉄道は、日本人だけでなく海外の観光客にも大人気です。
■動画で見て訪日 家族と最高の体験に
インドネシアから来た観光客:「私にとって初めての日本で、この列車も(乗るのが)初めて。日本旅行と紅葉の動画を去年YouTubeでたくさん見て、ぜひ体験したくて来ました」
こちらはインドネシアから来たジェニーさん。動画で見た京都の紅葉を家族にも見せたいと、日本に来る3週間前にネットでチケットを予約。念願だったトロッコ列車に乗れることになりました。
ジェニーさん:「(Q.楽しみですか?)ええ、もちろん!とても楽しみよ!」
車窓から見える色鮮やかな紅葉を楽しんだジェニーさん。家族にとっても、最高な体験ができました。
■日本人より外国人の方が多い“嵐山”
京都の嵐山では、歩道にあふれ返るほどの人で、バス停にも長蛇の列ができていました。
桂川に架かる「渡月橋」では、歩道が見えないほど多くの人で埋め尽くされています。
交差点では、赤信号に切り替わっても歩道からあふれる歩行者。車道には多くの人が取り残されています。
去年も同時期に訪れた観光客:「(Q.去年と比べると観光客の数はどう?)増えました!めっちゃ増えました!すごい人多いですよ!」
去年と比べると、観光客の数は大幅に増えたといいます。ここにも目立つのが…。
去年も同時期に訪れた観光客:「外国人が多いですね」
観光客:「海外の方が多い。日本人の方に写真お願いしようと思ったんですけど、ほぼ海外の観光客の方が多かったくらい」
ARINCO嵐山本店 スタッフ:「海外の方8割、日本人2割という。圧倒的に海外の方が多いですね」
■まるで“歩行者天国” 危ない場面も
今や紅葉シーズンは、日本人より外国人の方が多いという嵐山。
ブルガリアから来た観光客:「京都は抹茶で有名ですね。おいしい!とっても!抹茶サイコー!!」
多くの外国人観光客でにぎわいを見せる一方、ヒヤッとする場面もありました。
歩道からあふれ、車道いっぱいに広がる多くの観光客。まるで“歩行者天国”のような状態になっています。
車が走行している目の前を堂々と横切る外国人観光客。さらに、車道を歩くベビーカーを押した外国人、混雑の影響で歩道には人があふれ通れなかったようです。
その後、進行方向から車が来ますが、ベビーカーをギリギリでかわして避けていきました。
■和食学ぶ旅…錦市場で食を堪能
大きなリュックを背負いながら、観光スポットのパンフレットを手に取るのは、南米・アルゼンチンから来たロスティーナさんとマディアスさん夫妻です。
妻 ロスティーナさん:「きょうは二条城、錦市場、伏見稲荷を訪問したいと考えています」
夫のマディアスさんの仕事はシェフ。食の勉強を兼ね、旅行先に京都を選んだといいます。
ロスティーナさん:「各所で自分たちが魅力を感じたものを食べています。知らないものを試したいわ」
まず向かった先は、「京の台所」とも称される錦市場。全長390メートルの中に、様々な「食」の店が軒を連ねる錦市場は今、外国人観光客の人気スポットとなっています。
店内で食べている途中で、何やらメモをし始める夫のマディアスさん。
マディアスさん:「(Q.何をメモをしていた?)興味深いものを食べた時にはノートにメモをするんだ。自分が料理をする時に、ここでの味を思い出して、僕らの料理と日本料理との混合料理を作りたくて」
市場で2人は、「串揚げ」に「おかき」「黒皮餃子」。最後は日本酒を飲み、食を堪能しました。
■祇園に移動するも…相次ぐトラブル
その後、2人が向かったのは…。
ロスティーナさん:「祇園に行きたいと思います。面白い食事の場所もあるみたいです」
京都の祇園で本格的な和食を食べることを楽しみにしてきた2人。スマートフォンの地図アプリを見ながら、祇園までバスでの移動を試みるも、バスが満員で2度も乗れませんでした。
ロスティーナさん:「バスに乗ることができなそうなので、タクシーに乗ることにします」
バス停から約1時間かけ、ようやく祇園に到着するも、そこでも思わぬ事態が起こります。
ロスティーナさん:「たくさんのお店で予約が必要と書いてありました。どこか食事ができる場所を探さないと」
どこも満席で、なかなか食事にありつけず。そんななか、さらなる悲劇が起きます。
ロスティーナさん:「オーマイガー」
マディアスさん:「(Q.どうしました?)カラス(のフン)ですね。ジャケット洗わなきゃ」
ロスティーナさん:「まあでも、私たちの国では鳥がフンを落とした時に幸運がやってくると言われているんだよ」
すると、本当に「運」が味方したのか?目の前にあったラーメン店に並ぶことなく入ることができました。
色々ハプニングがあった京都の旅は、どうだったのでしょうか。
ロスティーナさん:「とても楽しい日でした。訪れた場所は少ないのですが、すてきな街だなというのはよく分かりました」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2023年11月23日放送分より)
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