安倍派の議員が入ったことに批判の声が上がるなか16日、自民党政治刷新本部の2回目の会合が開かれました。岸田総理も参加し、3時間にわたった議論では安倍派解散論も飛び出しました。
■政治刷新できる?総理が決意
自民党総裁 岸田総理大臣
「日本の民主主義を守るために、我々、自民党は変わらなければなりません」
派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件を受け、再発を防止するために自民党内に立ち上がった政治刷新本部。自民党は変わるために何をすべきなのか。
自民党 無派閥 政治刷新本部メンバー 小泉元環境大臣
「今回、派閥はなくしたらいいじゃないかと、そういった発言はさせてもらいました」
初会合では最高顧問を務める菅前総理や小泉元環境大臣らが派閥の解消を提起。ただ、その初会合には派閥解消に慎重な、同じく最高顧問を務める麻生副総裁が外遊中のため欠席していたことから16日、2回目の会合での発言が注目されます。
■自民議員“集結”安倍派解散論も
16日は党所属のすべての議員が自由に発言できる、いわゆる「平場」での議論。大荒れの展開も予想されました。
自民党 二階派 中曽根康隆衆院議員
「各議員が信念に基づいて、かなり率直な意見を今でも出し続けています。派閥に関しては派閥のパーティーの廃止。そして派閥人事、特に閣僚の派閥推薦。これを廃止するということを申し上げた。今の悪しき慣習を引きずった派閥というものはやっぱりなくすべきだと」
自民党 無派閥 和田政宗参院議員
「私は派閥を全廃すべきだと。この声は国民の声だと私は思います。派閥が問題を起こしているわけでありますから、その派閥を解消するということを、全廃をするということが一番の初めになる」
派閥解消という意見が出る一方、やはり慎重論も…。
自民党 麻生派 塚田一郎衆院議員
「派閥そのものについての問題というよりは、政治資金の問題だという声が有権者のなかからも多かったという話をされた先生がいらっしゃってたので、大勢。そういったことも含めて、しっかりと国民の声を聞いていく必要があると思います」
会合には安倍派に所属する議員も出席。キックバックを記載しないよう派閥から指示があったと暴露した宮澤前防衛副大臣は、安倍派の自主解散を訴えました。
自民党 安倍派 宮澤博行前防衛副大臣
「清和政策研究会(安倍派)は解散すべきである、そのような意見を申し上げました。派閥や議員グループに対する解散命令、これを党内に設けたらどうかと申し上げました。今回は、やはり清和政策研究会(安倍派)が悪いんです」
自民党 安倍派 片山さつき参院議員
「(Q.派閥はどうあるべきだと思う?)派閥のパーティーについては、私は抜本的にやり方を変えるか、もうなくした方が分かりやすいと思いますが」
自民党 安倍派 若林健太衆院議員
「パーティーはやめたほうがいいと、一切禁止と。清和会(安倍派)も解散すべきだと言っています」
その政治刷新本部、38人のメンバーのうち10人が渦中の安倍派に所属。そのうちの9人に「裏金疑惑」が浮上しています。
50代
「それはおかしいと思う絶対に。キックバック受けた9人を、なぜ採用したかだよね」
政治刷新本部の正当性が問われています。
■メンバーの安倍派9人“裏金疑惑”
自民党を変えるために岸田総理肝煎り(きもいり)で立ち上がった政治刷新本部。メンバーは38人ですが、10人が渦中の安倍派に所属、さらにそのうちの9人が数十万円から数百万円のキックバックを受け、収支報告書に記載していない疑いがあるとのこと。ところが…。
岸田総理大臣
「特定の人間を排除するというような排除の論理は適切ではないと」
メンバーを変えない方針を示し、政治刷新本部自体の正当性が問われる事態になっています。
■刷新本部「なんであんな人選に」
自民党 閣僚経験者
「刷新本部は評判悪いよね。何であんな人選にしちゃったんだろう。総理は『排除しない』とか言っちゃったでしょ。何もやっていない大臣を辞めさせたのに、ちょっと一貫してないよね」
疑惑が浮上した安倍派の政治刷新本部のメンバーは…。
自民党 安倍派 政治刷新本部メンバー 岡田前地方創生担当大臣
「グループ(安倍派)が説明責任を果たすと同じタイミングで、しっかりとご説明をしたいと思っています」
自民党 安倍派 政治刷新本部メンバー 太田房江参院議員
「きょうは平場ですから、私は話していません」
およそ3時間行われた16日の会合。政治刷新本部は今月中に中間的な取りまとめを行う方針ですが、意見の集約が難航する可能性があります。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp