能登半島地震の発生から8日で1週間、犠牲者は168人に増えました。2万8000人以上の方が避難を余儀なくされるなか、被災地は大雪に見舞われました。この雪と寒さが避難生活に影響を及ぼしています。
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週末の6日と7日で、景色が一変。被災地は大雪に見舞われました。石川県七尾市では、最大13センチの積雪を記録しました。
鈴江奈々キャスター(8日午前)
「雪がかなりしっかりと降っていまして視界が悪い状態となっています。一部がこのように倒壊した家屋ですけれども、崩れてしまった屋根の上にも雪が積もっています」
ある電器店は、地震で入り口の扉が“全壊”。
ボランティアの男性
「我々が駆けつけて、とにかくブルーシート張りたいということで、今作業してるわけです」
片付けがままならないなか、店内に雪が入り込まないようシートを張る作業が急ピッチで行われていました。
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この大雪で、支援物資を取りに行くだけでも一苦労。能登半島地震から1週間がたった8日、避難生活に影響が出ています。
珠洲市では、倒壊した建物などに雪が積もりました。そのため、家の片付けが思うようにできないといいます。
家が被害にあった人
「雪降ってから(片付けに)行ってない。みんな長靴ない人もいる。簡単な格好で逃げてきたから。雪降ってから、みんな行ってないんじゃないかな」
そして、厳しさを増すのが寒さです。七尾市では最低気温氷点下2.4℃と、今シーズン1番の冷え込みとなりました。ただ、凍てつく寒さでも、家にこもっているわけにはいかない現状があります。
断水している人
「水がないでしょ? トイレが使えない状態ですから」
断水が続いているため、水の確保が必要なのです。ある家族は、近くの川でトイレ用の水を確保していました。一度流すだけでも数リットルの水が必要なため、1日に何度も川に行かないといけないということです。
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厳しい寒さのなか、避難生活が続いています。輪島市では、ビニールハウスに多くの人が身を寄せていました。8日現在、いるのは15人ほど。多すぎて指定の避難所に入れなかった避難者が、ビニールハウスに緊急避難したのです。寒さをしのぐため、地面に板を敷きストーブなどを持ち寄り、対策しています。
避難者
「夜になるとちょっと寒いですけど、お互いに助け合いながらしてますから大丈夫です」
8日午後、鈴江キャスターが訪れたのは、七尾市の避難所です。
鈴江キャスター
「避難所の中に設けられた、乳幼児専用の部屋となります」
地震が続くなか、“赤ちゃんが気兼ねなく泣けるように”専用の部屋が用意されていました。
2歳と4か月の母
「アラームがなるとびっくりしておびえたりとかして。泣き声とか多少気になるけど、それなりに気にせず。おむつもたくさん、いろんな所から支援物資いただいて、助かっています」
助け合いの心で、乗り越えようとしています。
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大地震から1週間。大雪に見舞われ、能登半島は白く染まりました。珠洲市では、雪深いなかでも消防隊員が「誰かいますか?」と声をかけながら住宅を回っていました。
雪で地面の様子が目視できず、雪の重みでさらなる倒壊も心配されるなか、懸命な捜索活動が続いています。
土砂崩れが起きた穴水町では8日も、消防隊が安否のわかっていない2人の捜索を行うために現場へ。そして午後3時半ごろ、現場から2人が搬出されたということです。
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今回の地震により、8日午後2時時点で168人が亡くなり、安否不明者は323人に上っています。
寺本直之さん(52)は、今回の地震で妻と4人の子どもを失いました。妻の実家に帰省中、住宅が土砂崩れに巻き込まれたのです。
寺本直之さん(8日)
「一緒のところの家の中で見つかったと、それは1つ、私にしてみたらよかったのかなと」
住宅は、完全に土砂にのみ込まれていました。寺本さんは金沢市で仕事中だったといいます。
寺本直之さん(7日)
「1日、年を越えてすぐに起こった地震で、全員いませんとなったら…。今までおった人が、次の日にはいないと思ったら苦しいでしょ」
「何なんですか、これ…。なんで私がこんなことにならないといけないのかなと」
亡くなった末っ子の美緒寧さん(15)は高校受験を控えていたといいます。
寺本直之さん(8日)
「受験に関しての進路も、この前、三者面談も一緒にしてきて、進路も決めていたので。将来的にはやっぱり母親の仕事みたいな保育士、そっちのほうに、みたいなことはちらっと言ってたから、ああそうなんやって」
母親と同じ、保育士の道を歩もうとしていたという美緒寧さん。
寺本直之さん
「合格したらまた3月にディズニー行きたいねといってたんです、本当は…。卒業旅行と一緒にみんなで夏のような感じで行けたらいいなと、それを計画してたんですよ。それが果たせないというか、それができない無念さというか…」
東京都内の料理店で修行中だった二男・駿希さん(21)は家族へプレゼントを用意していました。
寺本直之さん
「おせちを、ずっと修業というか一番下っ端だから、『帰省したらみんなに食べさす』と。それだけが本当に悔いで…」
迎えることのできなかった家族6人がそろった正月。
寺本直之さん
「声かけたら帰ってくるのかなと思うくらいの、まだ距離感ですね。ネガティブにはならないで、ポジティブな考えでこれから生きていかなきゃいけないというか、言ってるような感じの気がしてならないですね。これからまた、あいつらのために頑張らなって…思うので…。頑張ってやります。みんなにありがとうと言いたいです。いろいろと、いろんな思い出を作ってくれてありがとうと、言いたいですね」
(2024年1月8日放送「news every.」より)
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