中国が掲げる巨大経済圏構想「一帯一路」の国際会議に向け、ロシアのプーチン大統領ら要人が続々と北京に到着しています。10年前、鳴り物入りでスタートしたこの構想。今、岐路に立たされています。
記者
「こちらは食用油を製造している中国の工場なのですが、原料の多くはカザフスタンから輸入しているということです」
中国内陸部・西安市にある食品輸入・加工会社。原料の多くは、隣接する中央アジア・カザフスタンから輸入しているといいます。
西安の食品輸入加工会社 担当者
「農業はカザフスタンにとって重要な産業である一方、中国には大きな市場があるので、ウィンウィンの協力関係ができています」
この会社は「一帯一路」構想が始まって以降、カザフスタンへの投資を加速。原材料を安く、大量に仕入れられるようになり、売り上げが伸びたということですが、その「一帯一路」とは…
中国 習近平 国家主席(2017年)
「『一帯一路』は時代の流れと発展に適応し、各国人民の利益にかなうものです」
10年前、習近平国家主席が提唱したこの構想。アジアとヨーロッパを陸と海でつなぐ巨大な経済圏を作るというものです。中国政府によりますと、152か国が協力文書などに署名し、中国からの直接投資額は35兆円を超えたといいます。
中国マネーを期待してか、関係強化に舵を切る国も相次ぎましたが、今月2日、インドネシアで開業した高速鉄道は中国の融資で進められました。
しかし、当初、中国側はインドネシア側に財政負担が生じない案を提示していたものの、建設費がふくらみ、結局、財政負担を強いることに。スリランカでも中国からの巨額融資が返済できず、港を中国に長期貸与せざるを得なくなりました。
こうしたなか迎えた「一帯一路」の国際会議。
けさ、北京に到着したロシアのプーチン大統領は…
ロシア プーチン大統領
「中国が他国を“支配”しようとしていると見る人がいるかもしれないが、それは違う」
中国メディアとのインタビューで「一帯一路」構想を擁護しました。
また、ヨーロッパではハンガリーなど東欧の旧社会主義国を中心に関係強化の動きがみられ、ヨーロッパを分断しようとしているのではないかとの警戒感もあります。
ただ、一方で、G7=主要7か国で唯一参加しているイタリアが先月、「経済的な恩恵が乏しい」と「一帯一路」構想から離脱する方針を非公式に伝えたとされます。
10年目を迎えた一帯一路。かつての勢いを失いつつあるようです。
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