秋田県の冬の味覚で知られる魚「ハタハタ」が記録的な不漁で地元漁師が頭を抱えています。
■今シーズンは…記録的不漁になる可能性高
焼いて良し、生でも良し、鍋に入れても良し、と師走の食卓に欠かせない食材・ハタハタ。しかし今、ある異変が起きています。
それが“漁獲量の激減”です。
11日、秋田県の八森漁港。本格的なシーズンに入ったはずのハタハタ漁でしたが、この日水揚げされたのは80キロほど。物足りない漁獲量に、地元の漁師は困惑を隠せません。
地元漁師:「網をあげたら1匹か2匹だからね。いつもなら、だんだん多くなるんだけどね。もう、そういう傾向ない。横並びでずっとの状態だから。あまり期待がもてないね」
ここ5年間の11月下旬から12月末までのハタハタの漁獲量です。
2019年にいったん回復しましたが、その後は、まとまった量の水揚げがない状況が続いています。
秋田県水産振興センターの担当者:「今シーズンは記録的不漁になる可能性が高い。海水温の上昇などで稚魚が育たず、ハタハタ自体の数が激減している」
一方、男鹿市の北浦漁港では、別の悩みを抱える漁師がいます。
漁師 西方強さん:「腹が熟して、ブリコを出している(産卵終えた)メスも半分ぐらいいる」
ブリコとは、ハタハタの卵のことです。産卵期の今、ブリコを持ったメスは高値で取引されますが、すでに産卵を終えていて、売り物にならないメスが多いといいます。
秋田県水産振興センターの担当者:「大型魚と呼ばれる3歳以上のメスが例年と比べて圧倒的に多い。大型魚は成熟が早いため、産卵を早く終えている可能性がある」
ハタハタの記録的な不漁。その影響は、都内にも及んでいました。
■都内の飲食店…異例の状況に早くも“諦めモード”
秋田の冬の風物詩「ハタハタ」の漁獲量が激減しています。その影響は、都内にある秋田料理がメインの飲食店にも及んでいました。
季節料理「能代」 佐藤春香店主:「今年は、もう全然だめですね。地元の魚屋さん、漁師さんが言うにはちょっと無理かもしれないと。あんまり望みは持たない方がいいって言われて」
店では例年この時期、ハタハタの「塩焼き」や「煮つけ」などを提供してきました。しかし、今年は全く手に入らない異例の状況に、早くも諦めモードです。
佐藤店主:「『ハタハタが入ってますか?』っていう問い合わせはあるんですけど、どうしようもないですね。北海道から若干ハタハタが豊洲には入っているんですけど、これも値段がものすごく高くて…」
ハタハタの本格的シーズンの到来は、いつになるのでしょうか?多くの人が待ちわびています。
(「グッド!モーニング」2023年12月14日放送分より)
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