日本からの水産物の全面禁輸を続ける中国で 29日、「国慶節」の大型連休が始まりました。福島第一原発の処理水放出で反発が強まる中でも、旅行先として日本は依然人気です。中国から来日した観光客はどう受け止めているのか、各地で取材しました。
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■銀座には多くの中国人観光客の姿
29日午後6時ごろ、東京・銀座ではあちらこちらに、中国人観光客の姿がありました。「連続で休みが8日あるので、それを利用して日本に来ました」。そう話す中国人観光客は渋谷にも足を運び、スマホの中の写真を見せてくれました。「渋谷の有名な交差点です。人がとても多かったです」と話しました。
29日から、中国の建国記念日にあたる「国慶節」の大型連休がスタート。のべ20億人以上が移動すると予測されています。
■羽田空港では「海産物を避ける」声
ただ、羽田空港で29日到着した中国人観光客に取材すると、日本で食事をする際に「海産物を避ける」という声が聞かれました。
日本の食文化が好きという人は「(食事で)海鮮は避けると思います。リスクを避けるためです」。別の2人組は「(食事で)焼き肉を優先的に考えるかもしれません」「(魚は)福島のものかどうかを確認してからですね」と話しました。
福島第一原発の処理水放出を巡り、中国では日本からの水産物の全面禁輸が続きます。こうした中、大型連休が始まりました。
■上海で取材…日本を選んだ理由は?
中国・上海の上海浦東国際空港では29日、日本行きの便が含まれるチェックインカウンターに、大きな荷物を抱えた人が多く並んでいました。なぜ日本を選んだのか、話を聞きました。
日本に向かう中国人
「関西の方に行きます。あと(大分の)湯布院の風景がとても素晴らしいと聞きました。見に行きたいです。今はまだそんなに処理水を放出していないから、早めに行って(水産物を)食べに行こうと思っているんです」
別の中国人
「日本を含む国際社会は(処理水の)監視をしているので、数値が非常に高い時はみんなに伝えると信じています。(危険な)数値が公表されていないので、今はそれほど心配していません」
中国の検索大手「百度(バイドゥ)」などの予測では、外国の人気旅行先の 1 位は日本だったということです。
■「処理水はあまり気にしない」の声も
観光地の東京・浅草でも、中国人観光客が少しずつ増えてきているようです。上海からの観光客は「国慶節なので日本へ旅行に来ました。日本は美しくてきれいな国で、上海によく似ています」と話しました。
羽田空港で話を聞いた、海鮮が大好物という中国人観光客は「北海道のカニとかウニが好きです。(処理水は)あまり気にしていません。東京にいる時に豊洲市場に行こうと思っています」。早速、アジの干物や丼など、海鮮を食べたという動画を送ってくれました。
処理水放出で反発が強まる中でも、依然として人気が高い日本。大移動が始まった国慶節の大型連休は10月6日までです。
(2023年9月29日放送「news zero」より)
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