シリーズ「現場から、」。太平洋戦争の口火を切った真珠湾攻撃から82年が経ちました。この日を境にアメリカで「敵」と扱われるようになった日系アメリカ人たち。その苦しみが刻まれた場所が首都ワシントンにあります。
10月、アメリカ・ワシントンである写真展が開かれました。第二次世界大戦当時の日系アメリカ人の姿です。「敵性外国人」として強制収容所に送られた12万人もの日系人。
会場にいた96歳の日系2世、メリー・ムラカミさんもそんな時代を生きた一人でした。
メリー・ムラカミさん
「真珠湾攻撃が起きた時、父は私たちに日本語でこう言ったんです。『馬鹿なことを』『アメリカと戦争をするべきではない』と」
当時のアメリカ政府の広報映像にメリーさんの姿が写っていました。
アメリカ政府の広報映像
「“避難者”は心から協力した。忠誠心が強く、アメリカの戦争のために自分たちができる犠牲だと感じていた」
“避難者”と紹介された日系人家族。実際は、収容所へと連れていかれるメリーさんの一家でした。
メリー・ムラカミさん
「収容所での生活はとても厳しかったです。乾いた大地で、強風がいつも吹いていました」
3年間、収容所での生活を強いられたメリーさん。戦後も差別に苦しんだといいます。
メリー・ムラカミさん
「戦争に勝者はいませんでした。日本が負けただけでなく、アメリカも負けたんです。日系アメリカ人にとってはね」
記者
「ワシントンには日系アメリカ人が戦争の記憶を後世に伝えようと設置した記念碑があります。中心にたつこちらの像は有刺鉄線が絡まって飛ぶことができない鶴の姿。日系アメリカ人の苦しみが表現されています」
記念碑の設置に中心的な役割を果たしたのは5年前に亡くなったメリーさんの夫、日系2世のレイモンドさんでした。日系人の名誉と苦悩、そして戦後の繁栄を形にしたい。そんな思いからだったといいます。
毎年11月、この記念碑で日系アメリカ人の元兵士らを追悼する式典が行われます。
マイク・ヤマモト少佐
「有刺鉄線が絡まる2羽の鶴が意味するのは希望であり、逆境を乗り越え、限界を乗り越える力を表しています」
日系アメリカ人の戦争の記憶は、この記念碑とともに語り継がれていきます。
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