イスラエル軍は、パレスチナ自治区ガザ南部の最大都市ハンユニスの中心部に地上部隊が入ったと発表しました。包囲されたハンユニスの病院で今も活動する日本人医師が現地の惨状を明かしました。
イスラエル軍は5日、「地上作戦が始まって以来、最も激しい戦闘の日を迎えている」などとする声明を発表し、地上部隊がハンユニスの中心部に入ったと明らかにしました。軍は空爆も強めていて、さらなる被害拡大が懸念されます。
そのハンユニスにある病院で今も治療にあたっている日本人医師が5日、JNNの取材に応じました。
国境なき医師団 中嶋優子 医師
「本当に(イスラエル軍が)どんどん近くなっているのは毎日感じます」
国境なき医師団の中嶋優子医師。先月中旬から現地で活動を続けています。
国境なき医師団 中嶋優子 医師
「いまいる建物が揺れるくらいの大きな音とか、普段の空爆だけでなくタンク(戦車)の音とか機関銃の音。色んな種類の音がきのうはひっきりなしに聞こえた」
イスラエルの侵攻後、南部にはガザ北部から多くの人が避難してきました。
国境なき医師団 中嶋優子 医師
「北部からやっとの思いで身一つで避難してきて、悲壮感がすごく伝わる。本当にもう行くところがない」
病院では攻撃の激化に伴い患者数は増えていき、「許容量の2倍~3倍ほどいる」と過酷な状況を語ります。さらに、深刻な電力不足で停電が頻繁に発生し、スマートフォンのライトで手術に臨むこともあると言います。
国境なき医師団 中嶋優子 医師
「救えるような命も救えない状態にすでになっていて、それでもできることを淡々とやっていくしかない。最も訴えたいことは継続的停戦、即時停戦。病院を攻撃しない。最低限のルールだけでも守ってほしい」
ロイター通信によりますと、ハマス側は戦闘が始まって以降、ガザで1万6200人以上が死亡したと発表しています。
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