信号を守ったのに罪に問われたニュースです。交差点で車が右折しようとしたところ、対向車線から赤信号を無視して走ってきたバイクと衝突。罪に問われたのはなんと、信号を守っていた車の方でした。27日の裁判で出た判決は。
■信号無視バイクに衝突され…有罪?
信号を無視してきた相手とぶつかってしまったら、果たしてそれは罪なのでしょうか。
福岡県古賀市の交差点で事故が起きたのはおととし10月。バイクに乗っていた男性が警察に通報し、乗用車の男性は「安全を十分確認しないまま右折した」などとして略式起訴されました。
福岡簡易裁判所はその後、罰金30万円の略式命令を出しましたが、納得いかないのは乗用車の男性です。なぜなら「バイク側が赤信号を無視してきた」からです。
乗用車の男性の不服申し立てで正式裁判が始まり、当時の状況が浮かび上がってきました。交差点で衝突する前、バイクが走っていたのは第1車線と第2車線の間。そして信号はバイクが停止線の20メートル手前にいた時点で赤に変わっていたのです。他の車が停止のため減速するなか、バイクはそれらを追い抜いて交差点に進入。右折してきた車と衝突しました。
当初、検察は信号が赤に変わっていたことを認識していませんでした。その後、バイクの信号無視を認めるに至りましたが、ただ、それでも起訴は取り消しませんでした。赤信号でも死角から飛び出してくる車両がないか注意すべきだったと主張しているのです。
そして1年以上続いた公判。今月27日、その判決が出ました。信号無視をしてくる相手を想定しなかったことは有罪になるのでしょうか。
■無罪判決「注意する義務なし」
27日に福岡地裁が下した判決は、無罪です。福岡地裁は減速している他の車を追い抜き、信号無視をして交差点に進入するような車両があることを予見して注意する義務はないとしました。
起訴された乗用車の男性は「思っていた通りの判決でうれしい。感謝の気持ちでいっぱい」などと話しています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp