■強盗“撃退”「さすまた」導入広がる
店に入ってすぐのレジの横に置いているのは「さすまた」。防犯意識高まる東京・上野御徒町。26日、上野の貴金属店に3人組が押し入り、ショーケースを破壊して商品を奪おうとした事件。その3人組を追い払った時に使ったのが、さすまたです。被害に遭った店から、わずか1分ほどにある宝飾店は…。
周辺の宝飾店:「警察からのアドバイスで、見える所に置いた方が防犯につながる」
外から見える位置に、さすまたを置くことで強盗に狙われづらくしているといいます。
別の店でも…。
infinia カフェイースト運営部 田中柚凪マネージャー:「こちらが用意している、さすまた。たくさんの従業員を抱えているので、従業員の安全を守るためにも危機管理の意識は高く持っておくべきだと改めて実感した」
近くのメイドカフェではこれまで、警察官ら30人とさすまたを使った訓練を行うなど防犯対策を行ってきました。
infinia カフェイースト運営部 田中柚凪マネージャー:「身近な場所で起こった事件は自分のことのように危機感を持って防犯に取り組んでいきたい」
凶器を持った相手に対し、距離を取って対峙(たいじ)する「使用者の身の安全」を第一に考えられたさすまたは電車内やイベント会場、さらには小学校でも欠かせない器具となっています。
■“正しい使い方”専門家に聞いた
元警察官の原明徳さん(73)は長野市内の小学校で防犯・防災アドバイザーを務め、さすまたの効果的な使い方を教えています。
防犯・防災アドバイザー 原明徳さん:「これだと外れる。だからこう斜めに。これ後ろからいって、倒れて、押さえることができる」
警察官のころ、刃物を持つ相手に対することも多く、現職時代から、さすまたの改良に力を入れてきました。
原さんの改良型さすまたは周囲に危険を知らせるためのブザー、そしてライトが付いているため暗い場所でも使えます。
さらに、栃木県の会社が警察の要望で作った高機能化した最新のさすまた。瞬時に不審者を拘束する「ケルベロス」。安全な距離から相手の自由を奪う「不動」。「弁慶」は小型で軽量であることに加え、先端部分を様々な形状に変えることができます。そして、もはやさすまたではないですが、ハンディサイズで不審者を拘束できる「オロチ」。
しかし、製品1つで対処することは危険だといいます。
佐野機工 佐野社長:「組み合わせて使っていただく方が、どんな状況にも対応できる」
■“不動”に“オロチ”組み合わせると
上野の事件を受け、ますます注目が集まるさすまた。警察とともに様々に進化したさすまたを製作してきた佐野機工の商品を組み合わせて使うと…。
不動で動きを止め、ケルベロスで上半身を拘束、そして弁慶で相手を倒しました。あっという間の制圧ですが、製造側は使用の順番などを決めない方が良いといいます。
佐野機工 佐野社長:「色んなパターンで経験を積むしかないですね。どんな状況でも使えるように訓練を積むことが大事」
この会社によりますと、さすまたに関する問い合わせは上野の事件の後、倍増してるということです。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp