1日からインドではG20=主要20か国・地域の外相会合が開催されます。14億人と世界一の人口大国になる見通しのインド。世界各国がその巨大市場に熱い視線を向けていて、そこに商機を見いだす日本のベンチャー企業もありました。
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先月26日、インドの首都ニューデリーの市場は、人で埋め尽くされるほど活気であふれていました。ヒンズー教のお祭り「ホーリー」を前に、踊りを披露する人たちの姿もありました。
国連の推計によると、2022年時点のインドの人口は14億1200万人。今年、中国を抜き世界一の人口大国になる見通しです。
市場の店主
「(人口が増えれば)外国の大企業がたくさん来て、インドはますます発展します。みんなの仕事も増えて、私の商売もきっとよくなるはずです」
インドは、1日から開かれるG20外相会合で、初の議長国を務めます。ロシアのウクライナ侵攻への対応も焦点となる中、途上国の代表として存在感を高めるインドの巨大市場がいま、注目されています。
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そこに商機を見いだす日本のベンチャー企業もあります。インドでは身近な交通手段である自動三輪車、通称「リキシャ」。日本のテラモーターズは、電気で動くEVリキシャの事業に進出し、市場をけん引しています。インドは深刻な大気汚染を背景にEVの推進に力を入れています。
テラモーターズ 上田晃裕社長
「全世界を見た時に、伸びしろがあるのはどこかということでアジアに目をつけて、その中でもリーダー格として非常に大きい人口と経済ポテンシャルを持つインドに目をつけました」
その巨大市場に取り入っているのが、シェア7割を誇る中国メーカーの格安スマホです。
市場の店主
「所得の低い人が多いので、みんなこれ(中国製)を買います」
しかし、中国メーカー3社は去年、当局による捜査を受けるなど圧力も。
その背景にあるのが、インドと中国との間の国境紛争です。2020年、両軍の衝突で、インド兵20人が死亡すると、中国製品のボイコット運動にも発展しました。こうした中、改めて注目されているのが、日本の支援です。
ニューデリーの都市型鉄道「デリーメトロ」は、多くの日本企業が事業に参画し、現在も拡張が続く中、去年12月、開業から20年を迎えました。
乗客
「デリーメトロはとても清潔で、設備もきちんとしています。一番いいのは、女性専用車両があることです」
女性専用車両に乗る男性に注意する警備員
「ほら出て行って。捕まりますよ」
日本を参考に、女性専用車両も設置され、通勤の安全が確保されたことで女性の社会進出の助けにもなったといいます。デリーメトロの支援に取り組んできた担当者は、今後の日本の関わり方は変化していくと話します。
JICAインド事務所 谷口肇次長
「(デリーメトロは)運行以外のビジネスがまだ限定的。(日本では)『エキナカ』に代表されるように、駅自体の機能が変化して、より商業的な付加価値を持つようになっている。そうした経験や取り組みをぜひ協力の中で、生かして推進していきたい」
支援の対象ではなく、共に成長していけるかどうか、日本とインドの関係も新たなステージに移ろうとしています。
(2023年3月1日放送「news every.」より)
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