日本郵船が運航する貨物船がイエメンの反政府勢力『フーシ派』に、紅海で拿捕されたことが分かりました。背景には、イスラエルとハマスの間で続く紛争が関わっているとみられています。
フーシ派のテレビは、当該の船かどうか明らかにしていませんが、携帯電話で撮ったとみられる船の映像を放送していました。
フーシ派メディア『Almasirah』:「この行動は、パレスチナでの被害者への連帯を示すものです。アメリカとイスラエルは恐ろしい罪を犯しています」
拿捕されたのは自動車の運搬船『ギャラクシー・リーダー』です。日本郵船が運航を担うこの船には、様々な国籍の25人が乗っていました。日本人はいないといいます。
船は日本時間13日にトルコを出港。目的地はインドでした。スエズ運河を通じ、紅海に入りますが、18日午後8時半ごろ、サウジアラビア沖で船舶情報の発信が途絶えていました。その後に出されたフーシ派の声明です。
フーシ派 サリー報道官:「イスラエルのガザ侵攻の停止まで、我々は軍事活動を継続する。イスラエル及び、これに協力する全船舶は“合法的な標的”になると警告する」
イスラエル政府の説明では、船を所有するのはイギリスの会社です。ただ、その会社は、イスラエルの富豪が創設した企業と関連があると指摘されています。
『反政府武装組織』と形容されるフーシ派ですが、アラブの春以降に勢力を拡大。現在は首都サヌアを含め、イエメンの広い範囲を実効支配しています。
その後ろ盾となっているのがハマスと同じく、イランです。先月、衝突が始まって以降、ミサイルやドローンでイスラエルへの攻撃を繰り返してきました。こうした軍備増強には、イランの協力があったと指摘されています。
イスラエルは、貨物船拿捕についてもイランを非難しました。
イスラエル首相府:「これはイランによる新たなテロであり、イランが自由主義世界への攻撃を強めている証だ」
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